Miles Davis And Milt Jackson Quintet/Sextet
(Prestige PRLP 7034)
(August 5, 1955)
・パーソナル
- Miles Davis (tp)
- Jackie McLean (as -1,3)
- Milt Jackson (vib)
- Ray Bryant (p)
- Percy Heath (b)
- Art Taylor (d)
・収録曲
- Dr. Jackle (Dr. Jekyll)
- Bitty Ditty
- Minor March
- Blues Changes
・詳細
この録音のマクリーンは、「Miles Davis, Vol. 1」のときの、「俺はここにいるんだが。」的な雰囲気から、「大丈夫か俺。」的な、少し迷いのある雰囲気を覗かせています。結果論として、とても物憂げな、儚さのようなものを感じ、とても雰囲気のある演奏になっていますが、本人も、「マンネリ」という、ある意味自分を信じる上で致命的なものを感じていたように思います。
ずっとマイルスについていく上で、「自分はこうだ!!」と、ある意味完成されたマイルスのスタイルを見せ付けられ続け、マクリーンも、持ち前の負けん気で、ハッタリをかまし続けていっている内は良かったものの、ある程度こなせてくると、バップ職人的な自分に気づいて、「何かしないといけないけど、何していいのかわからないから、とりあえずいつものを。」やっている自分に少し嫌になってきているような気がします。
毎度自信満々なマイルスをよそに、元気よく、歯切れのいいミルト・ジャクソンと、無愛想なマクリーンの対比は、あまりよい結果を生んでいないように感じます。
しかし、物憂げなマクリーンを聴くには、最適な一枚です。