George Wallington Quintet At The Bohemia
(Progressive LP 1001)

(September 9, 1955)

・パーソナル

  • Donald Byrd (tp)
  • Jackie McLean (as)
  • George Wallington (p)
  • Paul Chambers (b)
  • Art Taylor (d)

・収録曲

 

  1. Bohemia After Dark
  2. Jay Mac's Grib
  3. Johnny One Note
  4. Minor March
  5. Snakes
  6. Sweet Blanche
  7. The Peak

・詳細

怒涛の1956年の一年前の録音になるこのライブでのマクリーンは、吹っ切れた爽快感で全力疾走しています。マイルスがいないのが、何か作用しているように思います。「やってやる!!」という雰囲気満載で、多少の空中分解は承知の上で、聞いていて気持ちよいです。

このあたりから、いわゆる「泣きのマクリーン」の片鱗が見え隠れします。

そうです、私の好きなサックスの「泣き」というのは、フレーズというよりも、いわゆるフルトーンでサックスを鳴らしたときに発生する、少し苦しい感じのする特有のバズに由来します。

このバズは「むせび泣く」ような感じのバズで、決してサブトーンで渋く吹くときにはないものです。

「泣きのアルト」の代表的な人に、デビッド・サンボーン(David Sanborn)がいますが、マクリーンとサンボーンには、共通の「泣き」のバズを持っています。同じアルトサックスのアート・ペッパーやフィル・ウッズもある種の「泣き」を感じますが、少し雰囲気が違います。テナーでは、ハロルド・ヴィック(Harold Vick)やマイケル・ブレッカー(Michael Brecker)にも聴けます。

そしてこの録音での「Jay Mac's Crib」におけるマクリーンのソロでは、ふんだんに「泣き」のトーンを聞くことができます。