Jackie McLean - A Long Drink Of The Blues
(New Jazz NJLP 8253)

(February 15, 1957/August 30, 1957)

・パーソナル

  • Jackie McLean (as)
  • Mal Waldron (p)
  • Arthur Phipps (b)
  • Art Taylor (d)

・収録曲

  1. Embraceable You
  2. These Foolish Things
  3. I Cover The Waterfront
  4. A Long Drink Of The Blues
  5. A Long Drink Of The Blues (alt. take)

・詳細

このアルバムは、「Embraceable You」、「These Foolish Things」、「I Cover The Waterfront」と、

スタンダードをスロウに演奏する曲が殆どで、少し和みたいときに、私はこのアルバムをかけます。

特に出色の「Embraceable You」は、ある意味世界観が完成していて、朴訥としたマクリーンのその吹き方は、他のアルト奏者には見られないものです。フィル・ウッズなら、もっと朗々と歌い上げるでしょうし、チャーリー・パーカーは、もっと可愛らしい感じになりますし、マクリーンじゃないとこの雰囲気でないんじゃないかと思います。

出だしの「ソードーレーミ♭ーーーーー」は、『あれ、テナーに持ち替えた?』と思うぐらいの鳴りです。

その後のアドリブにおいても、ふくよかな音色で、マクリーン独特のサブトーンが味わえます。

アルト奏者は皆、チャーリー・パーカーに大なり小なり影響され、歌いまわしを獲得しますが、

基本の出音を獲得できる人はいません。

正確には、パーカーの持つ音色にどうしても自分の出音が足されるので、

その人オリジナルの音になってしまうのです。

このアルバムのマクリーンのバラッドにおける歌いまわしは、デクスター・ゴードン系の

「ふっくら、しっかり、タイミングは少しレイドバック気味」

な感じで、やろうと思えばできるんですが、このアルバムで聞けるマクリーンのような基本になる音色は、アルト奏者では、未だ誰も獲得できるものではありません。